iDeCoの10年ルール・19年ルールを父さんが整理してみた

iDeCo

iDeCoの「10年ルール」「19年ルール」。
聞いたことはあるけど、正直さっぱりなんだよね。

わかる。自分もそうだったから。

iDeCoに毎月コツコツお金を入れて、「よし、節税できてるぞ〜」ってニヤニヤしてたクチ。
でもさ、受け取るときの税金のことなんて、これっぽっちも考えてなかったんだよね。

ところが調べてみてビックリ。
退職金の受取額次第で、税金を数十万円払うことにもなる。こんだけあれば家族で旅行いけるよな…。
しかも2026年から、これから受け取る父さんたちは要注意。
「60歳でiDeCo、65歳で退職金」という、今までの黄金パターンはもう使えない

自分は50代、退職金なし。あるのは企業型DC(401K)とiDeCoだけ。
あと数年で受け取りの年齢になる。のんびり構えてる余裕は、もうない。

……え、じゃあどうすればいいの?
頭を抱えながら本気で調べて、やっとわかった。ルール自体は、スッと理解できる。

たどり着いた結論はこれ。

ポイントはたった1つ。
受け取るお金を「2つのグループ」に分けて考えよう。

ここさえわかれば、10年ルールも19年ルールも、パズルのピースがカチッとハマる。
この記事ではむずかしい計算はしない。まずはしくみだけ、ひとつずつ整理していくね。

※この記事は、これから受け取りを考える会社員のケースを中心に説明するよ。退職一時金・DB・DC・iDeCoのケースをまとめて扱ってるから、自分の制度にあてはめて読んでね。

受け取り方は2つ。まずは「一時金」で考えよう

退職金やiDeCoの受け取り方は、ざっくり2つあるんだよね。

  • 💴 一時金(まとめてドンと受け取る)
  • 📅 年金(何回かに分けて受け取る)

まずは一時金で受け取る場合を見てみよう。

一時金年金
税金の分類退職所得雑所得
控除退職所得控除公的年金等控除
ほかの所得と合算されない(分離課税)される(総合課税)
社会保険料への影響国民健康保険料の所得割などでは原則対象外ほかの所得や加入制度によって影響する場合あり

一時金なら「退職所得控除」っていうバカでかい非課税わくが使えて、しかもほかの所得と合算されない。
年金だと雑所得あつかい。ほかの年金や収入によっては、税金や社会保険料が増えることもある。
だから一時金と年金、どちらが自分に合うかを考えたい。まず今回は一時金の話からだね。

この記事は一時金で受け取る前提で進めていく。

ただし、一時金で受け取るからこそ知っておかないといけないルールがある。
それがこのあと説明する10年ルール19年ルールだよ。

退職所得控除ってなに? ── 退職金の税金をグッとへらす仕組み

退職金を一時金でドンと受け取ると、「退職所得控除」っていう非課税わくが使えるんだよね。

これがね、ドカーンとデカい
ほかの退職金との調整がなければ、勤続30年なら1,500万まで非課税。ちょっと信じられない数字だよね。

控除額のけいさん

年数控除額
20年以下40万円 × 年数(最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年)

ここで使う「年数」は、退職金の種類によってちがうよ。

🏢 退職一時金・DB(グループA)勤続年数
💰 DC・iDeCo(グループB)加入年数(基本は掛金を払っていた年数)
※移換した期間なども関係するよ。DCとiDeCoの同じ期間は二重に数えない。

数式だけだとわかりにくいから、具体的に見てみよう。

年数退職所得控除額
10年400万円
20年800万円
25年1,150万円
30年1,500万円
35年1,850万円
38年2,060万円

たとえば勤続38年(大卒22歳入社 → 60歳定年)の退職一時金なら、基本の控除額は2,060万円。ほかの退職金との調整がなければ、この金額まで非課税だよ。

控除のわくにおさまれば、税金はゼロ。
わくをハミ出しても、原則はハミ出した部分の半分が課税対象になる。
※勤続5年以下の役員退職金や短期退職手当などには例外があるよ。

父さんは払わなくていい税金は、半分になったとしても払いたくない。だからこそ、受け取り方を知っておきたい。

ここまではシンプル。

問題はここから。
「退職金が複数ある場合」に、この控除をどう使うか。
ここから先が、10年ルール・19年ルールの話につながっていく。

ここが一番だいじ ── 退職金は「2つのグループ」に分かれてる

ここでは、退職金として受け取るお金を2つのグループに分けて考えるよ。

※「グループA」「グループB」は正式な税法用語じゃないよ。この記事でわかりやすくするために使ってる呼び方だから、そのつもりで読んでね。

グループA:会社の退職金・DB

  • 会社からもらう退職一時金
  • DB(確定給付企業年金)の一時金

もともとの退職金制度

グループB:確定拠出年金の老齢給付金

  • 企業型DC(401K)の一時金
  • iDeCoの一時金

自分や会社が掛金を積み立てる制度

同じ年に受け取るなら、まとめて考える

💰 DC + iDeCo(どっちもグループB)→ 同じ年に受け取れば合算。期間が重なる分は二重に数えず控除を計算

🏢 退職一時金 + DB(どっちもグループA)→ 同じ年に受け取れば合算。AとBを同じ年に受け取る場合も、まとめて計算する

気をつけたいのは「べつの年に」受け取るとき。
AもBも年数をもとに控除を計算する。だから同じ期間を二重に使わないように、後の控除を調整する仕組みがあるんだ。

ここで登場するのが、10年ルールと19年ルール。
DCとiDeCo同士でも、別の年に受け取れば19年ルールが関係するよ。

AとB、どこの期間が重なるの?

例:30歳で入社 → 40歳でBに加入 → 60歳でB受取 → 64歳でA受取

30歳 40歳 60歳 64歳
A:勤続期間〈34年〉
Bと重なる20年
B:加入・支払い期間〈20年〉
40歳〜60歳
オレンジの部分=同じ時期が重なる期間

Bを先にもらうと、この重なる期間について、あとでもらうAの控除を調整するんだよね。

※図は期間の重なりを示す例。Bの受取額が控除わくより少ない場合は、使ったとみなす期間が短くなることもあるので、必ず20年分を調整するという意味ではないよ。

10年ルールってなに? ── DC/iDeCoを「先に」受け取った場合

DC/iDeCo(グループB)を先に一時金で受け取って、そのあとに退職金/DB(グループA)を受け取る場合の話だよ。

先にBで使った期間は、10年あけないと、Aの控除計算でそのままもう一度は使えない。
これが10年ルールなんだよね。
10年あければ、そのBを理由にAの控除を減らさなくてよくなる。

【10年ルール】B → A の順番
DC/iDeCo受取グループB(先)
10年以上
退職金/DB受取グループA(後)
先に使った期間を、もう一度使える
▼ 間隔が足りないと… ▼
【10年ルール】間隔が足りない場合
DC/iDeCo受取グループB(先)
10年未満
退職金/DB受取グループA(後)
重なる分、後の控除が減ることがある

2026年1月に改正されたよ

これまでは「5年ルール」だったんだよね。
5年あければ、そのBで先に使った期間をAでもう一度使う方法が取れた。

これを使った「黄金パターン」と呼ばれる受け取り方があったんだ。

【旧・黄金パターン(もう使えない)】
60歳
iDeCo一時金受取
間隔5年
65歳
退職金受取
5年あけて、同じ期間をもう一度使う(旧制度)

改正で、この間隔が5年→10年にのびたんだよね。
※対象は2026年1月1日以後に受け取ったDC・iDeCoの老齢一時金。2025年以前の受取には従来の扱いが残るよ。

【改正後】間隔10年 → これならOK
60歳
iDeCo受取
間隔10年
70歳
退職金受取
先に使った期間を、Aでもう一度使える

「70歳まで待つの?」って思うよね。
でも、これから長く働いて、退職金を受け取る年齢が遅くなる人もいるかもしれない。
だから、この方法が使えるかは会社の退職金制度次第。自分で自由に後ろへずらせるとは限らないから、まず支給時期を確認しよう。

ただし「10年待たないとダメ」という意味じゃないよ。
Bの受取額が控除より少なければ、使ったとみなす期間が短くなる場合もある。Aの控除を調整しても受取額が収まるなら、税金をゼロにするために10年待つ必要はないんだ。

※正確には、Aの受取年の「前年以前9年内」を確認するよ。Bが2026年なら、Aが2035年では期間内、2036年なら期間外。ここでいう「使った期間」は重複調整で使ったとみなす期間のこと。ほかの退職金や勤続期間の通算による調整は別に確認が必要だよ。

じゃあ、順番を逆にしたらどうなる?
次は19年ルールを見てみよう。

19年ルールってなに? ── 退職金/DBを「先に」受け取った場合

退職金/DB(グループA)を先に受け取って、あとからDC/iDeCo(グループB)を受け取る場合だよね。

今度は、先にAで使った期間をBでもう一度使うには、20年あける。
後のBを受け取る年の「前年以前19年内」にAを受け取っていれば、重なる期間について控除を調整する。だから「19年ルール」って呼ばれてるんだ。

【19年ルール】20年あけると?(60歳受取の例)
60歳
退職金/DB受取グループA(先)
19年超
80歳
DC/iDeCo受取グループB(後)
でも80歳では受給開始できない → この方法は選べない
▼ 間隔が足りないと… ▼
【19年ルール】期限内の75歳までに受け取る場合
60歳
退職金/DB受取グループA(先)
15年
75歳
DC/iDeCo受取グループB(後)
重なる分、後の控除が減ることがある

なんで「19年」なの?

このルール、同じ勤続年数で控除を2回使い回すのを防ぐためにあるんだよね。

Bを受け取る年から過去19年分を見て、同じ期間を使っていないか確認する。
ただし、重なる期間がなければ、その期間についての調整はない。年数が近いだけで必ず税金が出るわけじゃないよ。

でも、60歳で退職金をもらう人は20年待てない

60歳で退職金を受け取って、20年後にiDeCoを受け取る。
つまり80歳。

でもiDeCo・DCは75歳までに受給を始める必要がある。80歳から受け取る方法は選べないんだよね。

なぜ無理なのか
60歳
退職金受取
15年
75歳
DC/iDeCo受取※受給開始の期限
15年では、先に使った期間の調整が残る

結論:60歳で退職金を受け取る人は、20年待つ方法は使えない。
※早期退職などで、もっと前に退職金を受け取った人は別だよ。

…って聞くと「えっ、年数をあけられない人はダメなの?」って思うよね。
大丈夫、そこで決まるわけじゃない。調整後の控除わくに収まれば、課税される退職所得はゼロなんだ。

じゃあ結局どうすればいいの? ── パターンを整理してみた

結局のところ、まず会社の退職金がいつ出るかを確認する。
そのうえで、次に見るのはこれ。

受け取り方に合わせて計算した控除わくに、受取額が収まるかどうか。

同じ年にまとめてもらうなら、受取額を合算し、期間は重なりを二重に数えず控除を計算する。
別の年なら、それぞれの控除を計算して、先にもらった分との重なりを調整する。
だから、同じ年に受け取る場合と、分ける場合を比べてみよう。

✅ 収まる人
同じ年にまとめて受け取っても控除わくに収まるなら、まずは一時金でまとめて受け取る方法を検討しよう。
受給できる年齢と必要な手続きも確認してね。
⚠ 超える人
一時金・年金・併用で、手元に残る金額を比べてみよう。税金が出るから即ダメ、と決めなくていい。
受取額だけでなく、年金やほかの収入も合わせて考えよう。

超えるかどうかは、退職金の額とDC・iDeCoの残高しだい。
だからまず自分の数字を把握することがスタートなんだよね。

まず確認してみよう ── 自分の退職金制度、知ってる?

ここまで読んで「自分の場合はどうなんだろう」って思ったよね。

でもね、その前にひとつ聞きたいんだ。
自分の退職金制度、正確に知ってる?

まず見るのは、この3つ。

  • ① 退職金制度の種類 → 就業規則か人事に聞く
  • ② 退職金のおよその金額・支給時期・勤続期間 → 人事か会社のシミュレーター
  • ③ DC・iDeCoの残高・加入期間 → 金融機関のサイトでログイン

退職金のことは、気がねせず会社に確認しとこう。転職などで以前に退職金をもらっていたら、その受取年・金額・期間も忘れずに。

金額と期間、受取年がわかれば、どのルールを確認すればいいか見えてくる。

自分の退職金が「控除わくの中におさまるのか、こえるのか」。
まずはそこを確かめるところから始めよう。

まとめ ── おさらいしておこう

さいごに、ポイントと父さんの今の考えを書いておくね。

この記事のポイント

  1. まずは一時金で受け取った場合を確認。
  2. Aは勤続期間、Bは加入期間。別の年なら、先に使った期間との重なりを確認。
  3. 年数をあけなくても、調整後の控除わくに収まれば課税される退職所得はゼロ。

節税だけで考えてはいけない。

iDeCoは控除わくを超えると、受け取るときにも税金がかかる。
でも、それまでの節税が全部なくなるわけじゃない

父さんも税金は払いたくない。でも「税金ゼロ」にこだわるあまり、手元に残るお金を減らしたら意味がない。
積み立てるときから受け取るときまで、通して考えたいんだよね。

それからもうひとつ。
iDeCoを一時金で受け取ったあと、そのお金をどう扱うか。ここが意外と難しい。

父さんは受け取ったお金でも、老後の資産形成を続けたい
だから受け取った現金で、NISAの枠を使って買い直すことも考えてる。
でも全額は無理かもしれない。一部は特定口座になりそう。
関門がいくつかありそうだってことが、見えてきた。

老後の資産形成につながる戦略を、父さんは模索中。

ここまで読んでくれてありがとう。お疲れさまでした☕

自分の数字で計算してみる

「ルールはわかった。じゃあ自分の数字で計算してみたい。」

そう思った人のために、iDeCo出口戦略シミュレーターを作ったよ。
入力条件による出口の手取りを概算するツールです。現在、この記事に合わせて計算と説明を点検中。先に使った期間の調整などは、受取先や税務署で確認してね。

iDeCo出口戦略シミュレーター(点検中)

※制度確認日:2026年9月5日。将来の改正や個別条件によって変わる場合があります。
参考:国税庁・退職手当等に対する源泉徴収2026年以後の改正(PDF)同年に複数の退職手当等を受け取る場合退職所得控除の基本iDeCo公式・受給方法

悪あがき父さん

はじめまして。悪あがき父さんです。
50代・会社員・2児の父。収入は大したことない。
40代から資産形成を始め、家計を黒字にした。でも不安は消えなかった。資産は増えているのに、豊かさの実感がなかった。
未来ばかり見て、今を見ていなかった。
定年まであと数年。この期間が最後の仕込みだとわかっている。どれだけ積み立てるかが勝負だ。
でも同時に気づいた。お金を増やすだけでは、豊かにはなれない。
お金と豊かさのバランスを探しながら、今を生きている途中だ。
同じ場所にいる50代に、届けばいい。

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