iDeCoって税金の先送りなの?
税金払いたくないから計算してみた
「iDeCoは税金の先送りだから意味ない」
YouTubeでも、投資ブログでも、税理士でも、こんな話を見かけるんだよね、これ。
iDeCoをやっている身としては「税金の先送り」がとても気になってしょうがない。
あと、こういう声も聞こえてきそうなんだよ。
これでモヤッとしてる人、多いと思うんだよね。
しかも2026年12月から、会社員は企業年金とiDeCoを合わせた上限が月6.2万円に増える予定だって。
父さんの会社DCが月1.2万円のままなら、iDeCoは月5万円までの計算になる。
改正続きのこのタイミングだからこそ、ちゃんと自分の数字で確かめておきたい。
みんな退職金のタイプや退職所得控除額も違うと思うけど、この記事で計算してみるよ。答えに近づけるかどうか、わかんないけど……。
で、やってみた。出口の税金含めた金額を出してみたんだ。
──分かったこと、先に言うと。
- 一時金で受け取る場合、控除に収まる分には税金がかからないこと。
- その超えた分も、1/2課税+分離課税で想像よりけっこう軽い。
- 比べるのは、積立中に減った税金 − iDeCoで増えた出口の税金 − 手数料。
- 父さんの今回の試算では、出口の税金と手数料を引いても節税分が残った。
──って思う人もいるだろうけど、ちょっと待って。
そもそも「先送り」って、どういう意味?
そもそも「先送り」って何?って話だよね。
iDeCoの税制って、ざっくり3段階ある。
- 拠出時(毎月積み立てるとき):掛け金がまるごと所得控除になる → 所得税・住民税を払っている人は、税負担を減らせる
- 運用中:運用益に税金がかからない
- 受取時(一時金でまとめて受け取るとき):退職所得控除という非課税枠の中なら税金ゼロ、超えた分だけ課税
唯一課税されるタイミングがあって、それが3つ目の受取時。これが「先送り」だって言ってるんだね。
要は、「拠出時に税金が減って喜んでても、結局60歳でまとめて取られる、つまり後払いで先送り」って論理だ。
出口で税金がかかったら「結局、節税じゃなかったの?」と思うのも分かる。
でも、入口で減った額と出口で増えた額が同じかどうかは、まだ分からない。
っていう疑問も出てくるよね。
受取時の控除枠(退職所得控除)の枠内に収まれば、税金はゼロ。
枠を超えた分だけが、課税対象になる。
今回のように、DC・iDeCoなどを同じ年に一時金で受け取る場合、出口で税金が出る目安は──
同じ年に受け取るDC・iDeCo・退職一時金・DBの合計 > その年に使える退職所得控除
このとき、枠を超えた額だけが課税対象。残りは非課税のままで受け取れる。
税金を払わなくてすむ場合もあるってことだよね。
先送りを「食べ放題」に例えてみると

たくさん食べてお得感がある食べ放題、
でもこのお店は食べきれずに残ってしまった料理は追加の支払いがある。
この追加料金が受取時の税金になるってこと。
ただ、お金の場合は「控除を超えた分が全部消える」わけじゃない。
税金を払っても手元に残る分はあるから、控除に収めることだけが正解とも限らないんだ。
それを判定するには胃袋の大きさと注文量の関係を見ないといけない。
そう。出口の税金がいくらになるかは、人によって違うんだ。
「先送りだから意味ない」とは言い切れなくなってきた。
控除を超えたら、その分まるごと税金になるの?
控除を超えた分(=胃袋に入りきらない分)は、出口で税金がかかる。
これは確かにそうなんだ。
「控除を超えた額が、そのまま税金になる」ってわけでもないんだ。
ところが、実際の計算式を見るとこうなる:
課税対象の退職所得 =(退職一時金等 − 退職所得控除)÷ 2
÷ 2 がポイント。この記事では、通常の退職一時金・DC・iDeCoの一時金を想定しているよ。
超えた分の半分が課税対象になるってなっている。
しかもこの退職所得、「分離課税」っていう扱い。
他の給与所得と合算されないから、給料のせいで税率が跳ね上がることもない。
具体的に計算してみる。182万円、控除をオーバーしたケースで見てみよう。
① 課税対象 = 182万 ÷ 2 = 91万 ② 所得税率 = 5%(195万円以下の税率) ③ 所得税 = 91万 × 5% = 4.55万 ④ 所得税への上乗せ分 = 4.55万 × 2.1% = 約0.10万 ⑤ 住民税 = 91万 × 10% = 9.1万 ⑥ 税金合計 = 4.55 + 0.10 + 9.1 = 約13.75万
182万円の超過に対して、税金は約13.8万円。
超過額に対する実効税率は7.6%ぐらい。
182万に対して課税されるイメージあるけど、実際は半分の課税対象になっている。
だからイメージより安く感じる。
- 1/2課税:そもそも課税対象が半分になる
- 分離課税:給与とは分けて計算する。ただし退職所得自体が大きくなれば税率も上がる
- 速算表の控除:金額によって控除額が引ける
- 所得税への上乗せ:2026年は復興特別所得税2.1%。2027年以後、今回の受取想定年では防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%の合計2.1%で計算
退職所得って、税制上めちゃくちゃ優遇されてる。
「老後の生活資金だから手厚くしよう」って国の配慮があるんだろうね、たぶん。
「先送りで全額取られる!」わけでもなかった。
iDeCoで増えた出口の税金より、積立中に減った税金のほうが多ければ、節税分は残るんじゃない?
拠出時に節税した分を引き算すると、どうなる?
iDeCoの節税効果を見るなら、積立中に減った税金と出口で増える税金を引き算する。手数料も忘れずにね。
ここで気をつけたいのは、会社の退職金やDCに、もともとかかる税金までiDeCoの負担にしないこと。
iDeCoで増える出口の税金 = iDeCoを合わせた税金 − iDeCoなしでもかかる税金 純節税額(手数料差引後) = 積立中に減った税金 − iDeCoで増える出口の税金 − iDeCoの手数料
この「純節税額」は、税金と手数料だけを比べた数字。運用益を含めた投資全体の損益ではないよ。NISAで同じお金を運用した場合との比較も、ここではしていない。
父さんの場合で計算してみる
父さんの条件で引き算してみる。過去3年+これから8年、11年トータルで見るよ。
減税額は、分かりやすく掛金の20%(所得税10%+住民税10%)で固定した概算。実際には所得や控除で変わるし、特別所得税の細かな差もある。
過去3年(月2万):月2万 × 12か月 × 3年 × 20% = 14.4万 未来8年(月2万):月2万 × 12か月 × 8年 × 20% = 38.4万 合計 = 52.8万
過去分も、この税率で計算した目安だよ。
年7%という仮定で運用し、DCとiDeCoを同じ年に一時金で受け取ると:
- 月2万円を維持:今回の控除に収まるので、出口の税金は0円。
- これから月5万円にする:出口で増える税金は約17.8万円。
父さんのDCだけなら、今回の条件では税金0円。だから、この例では受取時の税金がそのまま「iDeCoで増えた税金」になる。
手数料は11年で約2.7万円として、計算するとこうなる。
| 掛金の選び方 | 積立中の減税 | 出口で増える税金 | 手数料 | 残る節税分 |
|---|---|---|---|---|
| 月2万円を維持 | 52.8万 | 0.0万 | 2.7万 | +50.1万 |
| 未来8年だけ月5万円 | 110.4万 | 17.8万 | 2.7万 | +89.8万 |
今回の数字では、どちらもプラス。「先送りで全部消える」という話にはならなかった。
もちろん、運用結果や受取時の制度が変われば数字も変わる。
でも、「出口で課税される=そのまま損」ではないことは、この引き算で見えてくるよね。
ところで、手数料も忘れずに
ここまで「拠出時の節税 − 出口の税金」で引き算してきたけど、もう一つ忘れちゃいけないやつがある。
NISAは口座管理料ゼロだけど、iDeCoは違う。少額だけど毎月、ちゃんと取られる。
これも引き算しないと「トータルで得した」とは言えない。
iDeCoの手数料、3種類

| 種類 | 金額 | 誰に払う |
|---|---|---|
| 加入時手数料 | 2,829円(1回のみ) | 国民年金基金連合会 |
| 口座管理手数料(毎月) | 月171円〜 | 国基連105円 + 信託銀行66円 + 運営管理機関0〜 |
| 受取時手数料 | 1回 440円 | 信託銀行 |
※ 月171円は運営管理機関手数料が0円の場合の例。金融機関によって、別に手数料が加わることもある。
⚠️ 2027年1月からちょっと値上がりするよ
国基連の加入中の手数料が、掛金を納める都度105円から、加入者は毎月120円に変わる。2027年1月26日の口座引落し分から適用されるよ。月171円が 月186円 になる。
月15円アップなので、20年積立で +3,600円。毎月拠出する今回の例では、その増額分も手数料に入れて計算するよ。
ただし「年1回拠出」を選んでた人は要注意。これまで年105円ですんでたのが、改正後は毎月120円ずつ取られる仕組みになるみたい。年1,440円。20年で +26,700円 の負担増。国基連の手数料をまとめ払いで減らす効果はなくなる、ということだね。
加入年数別・手数料の早見表
2027年からの月186円を全期間に当てはめた目安。加入時2,829円・一時金受取1回440円を含み、運営管理機関手数料は0円で計算。
| 加入年数 | 月額手数料の合計 | 加入・受取も含む合計 |
|---|---|---|
| 5年 | 11,160円 | 14,429円 |
| 10年 | 22,320円 | 25,589円 |
| 15年 | 33,480円 | 36,749円 |
| 20年 | 44,640円 | 47,909円 |
| 25年 | 55,800円 | 59,069円 |
| 30年 | 66,960円 | 70,229円 |
| 35年 | 78,120円 | 81,389円 |
| 40年 | 89,280円 | 92,549円 |
40年なら合計約9.3万円。小さく見えても、積み重なる費用だから計算には入れる。
父さんの場合(加入から受取まで11年トータル)
父さんはもう3年加入済み。過去3年を月171円、これからの8年を改定後の月186円と置いて、iDeCoスタートから受取までの11年トータルで計算するとこうなる:
過去3年分(既に支払い済み):
加入時手数料 2,829円 月171円 × 12ヶ月 × 3年 = 6,156円 合計 = 約9,000円(払済)
未来8年分(これから払う):
月186円 × 12ヶ月 × 8年 = 17,856円(※2027年からの改正後) 受取時手数料 440円 × 1回 = 440円 合計 = 約1.8万円
iDeCo加入から受取まで通して見ると、約2.7万円の手数料がかかるってこと。
「税率20%なら年4.8万円減税になる」という試算と比べると小さい額だけど、ちゃんと計算には入れる。
注意点:金融機関と受取方法で変わる
- 金融機関選び:運営管理機関手数料がかかる金融機関では、その分を上乗せする
- 受取方法:一時金じゃなく年金受取(分割受取)にすると、受取時440円が毎回かかる。年金5年で年1回受取なら2,200円、隔月受取なら13,200円
で、結局どうする?
まずは、自分の金融機関の手数料表を確認しよう。運営管理機関手数料0円でも、国基連や信託銀行に払う費用はある。
次のセクションでは、この手数料も含めて3シナリオの純節税を計算する。
これで、税金と手数料を引いたあとに、節税分がどれだけ残るかを比べられる。
父さんの数字で3シナリオ比較してみた

父さんの条件で、iDeCoの掛金を月2万/月3.5万/月5万の3パターンで計算した。
増額すれば積立中の減税も増える。
ただし同時に、受取時の残高が増えて、控除を超えることもある。その両方を見てみよう。
父さんの前提条件
- 52歳時点の残高から、60歳まで8年間を試算
- 会社の退職一時金・DB:なし
- DC:現在330万円、会社拠出は月1.2万円
- iDeCo:現在114万円、過去3年は月2万円
- 受取時のDCの控除対象期間:27年。iDeCoの11年は、その期間内に収まる前提
- DCとiDeCoを同じ年に、全額一時金で受け取る
- 基本の利回り:年7%という仮定。予測や保証ではない
- 積立中の減税:掛金の20%で固定した概算
※未来8年は増額後の掛金で通すモデル比較。月3.5万・5万円の拠出は改正後に可能となる前提で、2026年の途中からすぐ払えるという意味ではないよ。ここでは52歳時点の元の残高を使い、現在残高へ置き換えた実績報告にはしていない。
ステップ1:退職所得控除の計算
DCの控除対象27年(iDeCoの期間はこの中に含まれる) 800万 + 70万 ×(27 − 20)= 1,290万円
父さんの場合は1,290万円。会社の勤続年数だけで決めるのではなく、DC・iDeCoの控除対象期間で確認した枠だよ。重なる期間は二重に足さない。
ステップ2:60歳時点のDC+iDeCo合計残高
DCの会社拠出は変えずに、iDeCoの掛金だけを変える。
| iDeCo月額 | 8年後DC | 8年後iDeCo | 合計 | 控除との差 |
|---|---|---|---|---|
| 月2万円 | 714.7万 | 442.1万 | 1,156.9万 | 余裕 133.1万 |
| 月3.5万円 | 714.7万 | 626.8万 | 1,341.5万 | 超過 51.5万 |
| 月5万円 | 714.7万 | 811.5万 | 1,526.2万 | 超過 236.2万 |
※年末に1年分を積み立てる近似計算。毎月積立のシミュレーターとは少し差が出る。例:DC=330万×1.07⁸+年14.4万×約10.26。表は小数1桁に丸め、税金は丸める前の残高から計算した。
ステップ3:出口で増える税金
| iDeCo月額 | 控除超過 | DCだけの税金 | DC+iDeCoの税金 | iDeCoで増える税金 |
|---|---|---|---|---|
| 月2万円 | 0.0万 | 0.0万 | 0.0万 | 0.0万 |
| 月3.5万円 | 51.5万 | 0.0万 | 3.9万 | 3.9万 |
| 月5万円 | 236.2万 | 0.0万 | 17.8万 | 17.8万 |
今回の基本条件なら、DCだけの残高は控除内。だから差し引く元の税金は0円。
超過した場合も、今回の範囲では課税退職所得に所得税5%+その所得税への上乗せ2.1%+住民税10%で計算する。15%に2.1ポイントを足すわけではないよ。
ステップ4:積立中の減税(11年トータル)
過去3年は月2万円、未来8年の掛金だけを変える。
| iDeCo月額 | 過去3年の概算 | 未来8年の概算 | 11年合計 |
|---|---|---|---|
| 月2万円 | 14.4万 | 38.4万 | 52.8万 |
| 月3.5万円 | 14.4万 | 67.2万 | 81.6万 |
| 月5万円 | 14.4万 | 96.0万 | 110.4万 |
ステップ5:手数料も引いて、残る節税分は?
手数料は全パターン共通で27,281円(約2.7万円)。
| iDeCo月額 | 積立中の減税 | 出口で増える税金 | 手数料 | 純節税 |
|---|---|---|---|---|
| 月2万円 | 52.8万 | 0.0万 | 2.7万 | +50.1万 |
| 月3.5万円 | 81.6万 | 3.9万 | 2.7万 | +75.0万 |
| 月5万円 | 110.4万 | 17.8万 | 2.7万 | +89.8万 |
ステップ6:利回りが変わると、どうなる?
基本の7%から、9%・10%・12%と上がった場合も計算してみた。どれも比較用の仮定で、実際には低い利回りや元本割れもある。
| 仮の利回り | 月2万:残高/純節税 | 月3.5万:残高/純節税 | 月5万:残高/純節税 |
|---|---|---|---|
| 7% | 1,156.9万/+50.1万 | 1,341.5万/+75.0万 | 1,526.2万/+89.8万 |
| 9% | 1,308.2万/+48.7万 | 1,506.7万/+62.5万 | 1,705.2万/+75.7万 |
| 10% | 1,390.9万/+42.5万 | 1,596.7万/+55.7万 | 1,802.6万/+65.9万 |
| 12% | 1,571.6万/+28.8万 | 1,793.0万/+38.0万 | 2,014.4万/+41.1万 |
運用が伸びると出口の税金も増えて、税金だけを見た節税分は小さくなる。でも同時に、残高は大きく増えている。
「税金が増えた」と「投資で損した」は違う。
運用がうまくいったことまで、悪いことにしないで考えたい。
控除を超え始める利回りの目安
| iDeCo月額 | 今回の控除を超え始める年利 |
|---|---|
| 月2万円 | 約8.8% |
| 月3.5万円 | 約6.3% |
| 月5万円 | 約4.0% |
このラインは、税金が発生し始める目安。損益分岐点ではないよ。
今回の基本条件では、残る節税分が最も大きいのは月5万円の約89.8万円。
ただ、月2万円よりも毎月3万円多く積み立てる必要がある。家計に無理なく続けられるか、受取まで使わずに置けるかも一緒に考えたい。
父さんのようなDC+iDeCo型では、こうなった。退職一時金やDBがある人はどうなるのか、次に見てみよう。
退職金がある人はどうなる?退職金合計で見てみる

ここまでは父さんのDC+iDeCoで計算してきた。
退職一時金やDBがある人は、それらも含めて見てみよう。
シンプルに、退職一時金+DB+DCの合計を「R」として、iDeCoをそこへ加える。iDeCoは今回の月2万円の案、受取額約442.1万円で固定するよ。
今回は全部を同じ年に一時金で受け取る比較。
Rがある行では、Rの控除対象期間が27年、iDeCoの11年はその中に収まるものとする。積立中の減税は52.8万円、手数料は約2.7万円。
ここでも大切なのは、「iDeCoを加える前と後の税額差」を見ること。
| R(iDeCo以外) | iDeCoなしの税金 | iDeCoありの税金 | 増える税金 | 残る節税分 |
|---|---|---|---|---|
| 0万(iDeCoのみ) | 0.0万 | 0.2万 | 0.2万 | +49.9万 |
| 500万 | 0.0万 | 0.0万 | 0.0万 | +50.1万 |
| 715万(父さんの概数) | 0.0万 | 0.0万 | 0.0万 | +50.1万 |
| 1,000万 | 0.0万 | 11.5万 | 11.5万 | +38.6万 |
| 1,200万 | 0.0万 | 26.6万 | 26.6万 | +23.5万 |
| 1,400万 | 8.3万 | 45.8万 | 37.5万 | +12.6万 |
| 1,500万 | 15.9万 | 55.9万 | 40.1万 | +10.0万 |
| 2,000万 | 64.3万 | 131.6万 | 67.2万 | −17.2万 |
| 2,500万 | 140.4万 | 211.6万 | 71.2万 | −21.2万 |
※R=0はiDeCoだけなので、控除は11年×40万円=440万円。Rがある行の1,290万円をそのまま使わない。各列は表示時に丸めているため、表示値の差が一致しない場合がある。
たとえば、Rが1,500万円の人なら
iDeCoなしでもかかる税金:約15.9万円 iDeCoを加えた税金:約55.9万円 増える税金:約40.1万円 52.8万 − 約40.1万 − 約2.7万 = 約10.0万円のプラス
一方で、Rが大きい行では、税金と手数料を引いた節税分がマイナスになる例もある。
ただしこれは、今回の条件で税制上のメリットを計算した結果。そのマイナス額を、そのまま資産運用全体の損失とは呼べない。
同じ退職金額でも、控除対象期間・積立中の税率・受取年・iDeCoの残高が変われば答えは変わる。「退職金○万円なら必ず損」という全国共通の線は引けない。
父さんのRは、今回の試算でDCの約714.7万円。基本の年7%なら控除内に収まるので、出口の税金は0円だった。
受取年を分ける場合は、単純に同じ枠へ合算する計算とは違う。10年ルール・19年ルールの記事で、対象期間の重なりと受取順序を確認してね。
で、結局iDeCoは税金の先送りなの?
ここまでの計算で見えてきたのは──
- 出口で税金がかかることはある。
- でも、控除を超えた分を全額取られるわけではない。
- 積立中の減税が、出口で増えた税金と手数料を上回れば、節税分は残る。
だから「税金の先送り」という一言だけでは、iDeCoが得か損かは決まらない。
退職金が多いと、iDeCoで増える税金が大きくなることはある。
でも、もともと退職金にかかる税金までiDeCoの負担にすると、損を大きく見積もってしまう。
父さんはどうする?
父さんの今回の条件なら、月2万円を続けた場合の節税分は約50.1万円。月5万円へ増やす案では約89.8万円だった。
数字だけ見れば、月5万円のほうが大きい。
ただし、それだけ積立額も増える。手元に必要なお金までiDeCoへ入れていい、という話ではないよね。
父さんとしては、まず家計に無理のない掛金を決めて、そのうえで出口の税金を見ていきたい。
「税金ゼロ」にこだわるより、払ったあとに何が残るかで考えるほうがしっくりくる。
まとめ:「税金の先送り」への答え
「iDeCoは税金の先送りだから意味ないの?」への、今回の答えはこう。
先送りになる部分はあっても、それだけで損とは言えない。
父さんの試算では、出口の税金と手数料を引いても節税分は残った。
見る順番は3つでいい。
- 積立中に、税金がいくら減るか。
- iDeCoを受け取ることで、出口の税金がいくら増えるか。
- 手数料も引いて、いくら残るか。
「1円でも税金払いたくない」気持ちは分かる。
でも、出口の税金だけを見て、積立中の減税や増えた資産を忘れないようにしたい。
自分はどこから確認すればいい?
① iDeCoのみ
まず、iDeCoの控除対象期間と受取予定額を確認。会社の勤続年数をそのまま使うわけではないよ。
② DC+iDeCo(父さん型)
DCとiDeCoの対象期間を確認。重なる期間は1回だけ数える。今回の父さんのように、同年に受け取る合計額と控除を比べてみよう。
③ 会社の退職金もある
退職金の金額だけでなく、受取年も確認。同じ年にまとめるか、別の年に受け取るかで控除の計算が変わる。
④ 退職金・DB・DC・iDeCoがある
それぞれの金額・対象期間・受取年を並べるところから。iDeCoなしでもかかる税金を分けて、追加分の税負担を考えよう。
まずは自分がどの型なのかと、控除に使える期間。それが分かれば、数字を入れて確かめられるよ。
自分の出口の税金も確かめたい人へ
受取予定額・対象期間・受取年を入れると、一時金や年金の受け取り方による税額の概算を比べられるシミュレーターを作った。
シミュレーターは出口の比較用。この記事の「積立中の減税−追加の税金−手数料」まで自動計算したり、最適案を保証したりするものではないよ。
計算の前提・参考資料
2026年9月5日に確認した制度による、通常の一時金の概算。5年以下の短期・役員退職金などの特例や、他の過去の退職一時金との調整はこの表では扱っていません。将来の制度変更、申告での還付等は反映していません。
将来残高は年末積立の近似。利回りは信託報酬控除後と仮定し、口座手数料を残高から順次引くことによる運用差は省略。手数料は別に差し引いています。所得税・住民税の減税は掛金の20%で固定した目安です。


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