NISA貧乏じゃなかった。もっとひどいNISA赤字だった。

エッセイ

NISA貧乏じゃなかった。もっとひどい、NISA赤字だった。

記事03 本文 第4稿 / 2026-03-29

資産額が増えていくのを見て、ニヤニヤしていた。

そういう時期があった。

NISA貧乏という言葉が流行っている。
投資しすぎて生活が苦しい人のことらしい。
俺のことじゃない、と思っていた。

でも気づいたら、家計が赤字になっていた。


ゲームにハマった

毎朝、アプリを開いた。

増えていた。また増えていた。

いつからだろう。
投資が好調になって、資産が増え始めた頃からだ。

給料より増えた月があった。
次はボーナスより増えた。
そのあたりで、完全にハマった。

お金を使っても、資産が減らなかった。
増えることが、楽しくてたまらなくなった。
気づいたら資産額を見るのが、一番の楽しみになっていた。

この頃から、家計簿を開かなくなった。
見ないまま、月日が流れていった。


物価が上がって、積立を削った

食費が増えた。

去年と同じものを買っているのに、レシートの金額が違う。
気づいたら食費が2倍近くになっていた。

ネットでは副業を始める人が増えた。
インフレに対抗するために稼ぐ、という話をよく見るようになった。
俺は違う選択をした。

スマホを開いて、積立額の設定を変えた。
半分にした。

一度やったら慣れる。
もとに戻れなくなる気がして、ためらった。
でも押した。

楽になった。
「老後のために我慢しなければ」という重さが、少し消えた。

それなのに、資産は増え続けていた。

積立を減らした。でも数字は増える。
「使っても減らない」という感覚が、じわじわ染み込んでいった。

節約意識も薄らいだ。

物価がどんどん上がる。
少しでも安いものを探すのが、面倒になっていった。
「どうせ資産は増えるんだ」という言葉が、頭の中を流れていく。

バイトしなくていい。
資産が増えているんだから。
そう思っていた。

そのうち、高い買い物も気にしなくなった。
安いものより、いいものを選ぶようになっていた。


見るところを、間違えていた

月の給料では、カードの支払いができない月が出てきた。
そういう月が、増えてきた。
貯金を切り崩して、支払いに充てた。

さすがに、久しぶりに家計簿を開いた。

赤字だった。

資産額ばかり見ていた。
出ていくお金を、ちゃんと見ていなかった。

見れば見るほど、支出が多かった。

見るところを間違えていた。


焦らなかった。それが怖かった。

NISA貧乏という言葉は知っていた。
でも俺が辿り着いたのは、その先だった。

家計が赤字。
NISAをやっているから、俺はこれをNISA赤字と呼ぶことにした。

赤字なのに、焦りがなかった。
資産は増えているから、どこかで「大丈夫」と思っていた。
それが一番、怖かった。

このままじゃ、老後に豊かな生活は送れない。
そう気づいた。
方向転換しなきゃいけない。

豊かさって、資産額じゃないのかもしれない。
でもじゃあ何なのか、まだわからない。

50代・2児の父・会社員。収入は大したことない。でも諦めない。悪あがきで豊かな老後を目指している。

悪あがき父さん

はじめまして。悪あがき父さんです。
50代・会社員・2児の父。収入は大したことない。
40代から資産形成を始め、家計を黒字にした。でも不安は消えなかった。資産は増えているのに、豊かさの実感がなかった。
未来ばかり見て、今を見ていなかった。
定年まであと数年。この期間が最後の仕込みだとわかっている。どれだけ積み立てるかが勝負だ。
でも同時に気づいた。お金を増やすだけでは、豊かにはなれない。
お金と豊かさのバランスを探しながら、今を生きている途中だ。
同じ場所にいる50代に、届けばいい。

悪あがき父さんをフォローする
エッセイ

コメント